9/29 『海辺のカフカ』 村上春樹

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長期の休みですっかり頭がすっきりした小原です。

随分長いことブログの更新を怠っておりました。

休みボケ解消のため、気合を入れて書こうと思います。

 

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海辺のカフカ(上) (下)

村上春樹

新潮社 (2002/9/12)

 

 

 

 

学生の頃に読んだ村上春樹作品が『ノルウェイの森』と『風の歌を聴け』。

社会人になってから読んだのが『1Q84』と『海辺のカフカ』。

いづれも村上春樹氏の代表的な作品です。

 

『海辺のカフカ』が出版されたのが2002年、当時私は17歳の高校生。

「ウンナンの気分は上々」というTBSの番組で、ナンチャンがこの本を紹介していたのを覚えています。

気になっていたけど読めていない、7年前からずっと引っ掛かっていた本でした。

 

15歳の少年・カフカと猫と話しが出来る老人・ナカタさん。

2人の主人公が交互に話を進めていくスタイルは、『1Q84』の天吾と青豆の2人主人公スタイルに通じるものがあります。

 

面白かったのが猫と話せるナカタさんというキャラクターです。

頭脳明晰、運動も出来、先生の評判も良かった少年時代のナカタさん。

ある時事故に遭い、それまでの記憶を失い、文字の読み書きが全くできなくなってしまいました。

その代わりに猫と話ができるようになりました。

 

下記はトラックの運転手と殺人事件がきっかけで猫と話が出来なくなってしまったナカタさんのやりとりです。

 

 

■『海辺のカフカ』(上)p.329

「関係性も変化する。誰が資本家で、誰がプロレタリアートか。どっちが右で、どっちが左か。情報革命、ストック・オプション、資産の流動化、職能の再編成、多国籍企業――何が悪で何が善か。ものごとの境界線がだんだん消滅してきているんだ。あんたが猫の言葉を理解できなくなったのは、そのせいもあるかもしれないね」

 「ナカタには右と左の区別だけはなんとかわかります。つまり、こっちが右で、こっちが左です。違いますでしょうか」

「そのとおり」

 

 

 9.11アメリカ同時多発テロより1年後に出版された本書。

当時のことを思い浮かべると日本を巻き込む世界的に大きな変化や流動があったような気がします。

覇権の構造が東西冷戦からアメリカへ。

アメリカがテロで傷つき、さらに昨今のリーマンショックに至るまで。

世界の主軸が定まらないまま、変化は変化のまま止まることなく現在に至っているように思います。

 

猫の言葉がわかるかどうか。

面白いがどちらでも良いような変化と世界の深刻な問題を等位させたこのやり取りが妙に笑えました。

当時に読んでいれば違う感想があったのでしょうね~

 

秋の読書感想文、次の本を読んだらまた書きたいと思います。